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『時間泥棒』――なんだかよくわからんが状況を打破しろ!
評価:
ジェイムズ・P. ホーガン
東京創元社
¥ 567
(1995-12)
 ある日、ニューヨーク市の時間がおかしくなりはじめた。全世界でもこの街でだけ、時計がどんどん遅れていくのだ。しかも街の場所ごとで遅れ方が違う。前代未聞の事態に著名物理学者が言うには「異次元世界のエイリアンが我々の時間を少しずつ盗んでいるのです」。議論は際限なく続くが、その間にも時間は本当になくなっていく。大騒動の顛末は。巨匠が贈る時間SFの新機軸。
 僕は小説を読むときでも、あれこれ線を引いてみたり、書き込んでみたりしながら、ああだこうだと考えつつ、読書するスタイルなんですが、この本ではなんだか久しぶりに一本の線も引かないで読み終わってしまいました。といっても、つまらなかったとかではなく面白かったんですけど。
 『星を継ぐもの』がずっと本棚で待ってる状況なのに、古本屋の本棚でこの本がアッピールしてきたので、どれどれとこっちを先に読んでしまいました。なんといっても薄いんだこの本が! 169ページで終わってしまう。これを読み終わって、そろそろもう少し重い本を読んでもいいかな、と思ってきましたけど、軽い本が読みたいときにぴったりでした。

こんな人におすすめかも
・てわけで、いままさに軽い本が読みたい人。ちょっとしたユーモアもまたうれしい。
こんな人に向かないかも
・てわけで、上の逆。いままさに重い本が読みたい人。(ちょいバレ始まり。読むときは反転してね→)謎のディテールを期待するとよけいにだめかも。(←ちょいバレ終わり)

 では、以下もう少しネタバレで。
 
 
 
 
 
 最後まで爽快感のある展開で、ぱりっと終わって小気味よかったです。タイトルがものすごい勢いでエンデの『モモ』っぽいんですが、ファンタジーの『モモ』より、謎のディテールが曖昧なまま最後まで突っ走るとは意外でした。というといろいろ誤解があるかもしれないですけど、時間がなくなっていく現象の法則性みたいなのはわかるにせよ、それがなんのためなのか、誰がどうやっているのか、というところに関してはわからないまま、どりゃーと終わらせたから、ということです。『モモ』だって抽象的で神秘的な時間観を提示してるけど、敵の正体と目的をある程度明確にしてたし。
 まあでも、それはそれで。いま読むにはまさに正解だったので。普段のホーガンの作品は、この本とはまったくちがうらしいけど、『星を継ぐもの』も早いとこ読みたいなー。
| SF近辺の作品 | 16:25 | comments(4) | trackbacks(1) |
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コメント
 短くて爽快な作品ですね。
 時間泥棒という単語には、僕もエンデの『モモ』を思い浮かべました。時間を食う生き物という変なモノが登場して、変なモノ好きの僕には嬉しかったです。
 『イルカの島』『家族八景』『星を継ぐもの』・・・・・・。面白い本ばかりですねえ。
 ところで、今度お引越しすることになりました。ありがたいコメントなど消えてしまいますが、申し訳ありません。お手数でしょうが、リンクのURLを変更していただくと助かります。今後ともよろしくお願いします。
| A・T | 2007/03/29 12:02 PM |
 どうもー、こんばんは。
 いやまったくへんてこな生き物ですよね。空間を排泄するし。あと食い意地が張ってて一網打尽だし(笑)
 本当は『イルカの島』を優先的に読んでいくつもりが、『家族八景』が三章からすごくよくなってきちゃって、こちらを先に読もうと思いながら、しかし『時間を哲学する』っていう新書も面白くて、ああ、頭がこんがらがりそうです。

 リンクのURLはいまさっき変更しておきました。ページのデザインがめまぐるしく変わってるなあ、と思ったら引越しだったみたいで、驚きました。
 僕のコメントはいいのですが、他の方々のコメントが気になったりしてます。紹介されている本を読んでから読もうと思っている記事がたくさんあるので、コメントも読みたいなーなんて(笑)

 ではでは、こちらこそこれからもよろしくお願いします。
| 智洋 | 2007/03/29 10:10 PM |
ホーガンがユーモアSFに挑戦してみましたって感じですね。しかし、この作品からホーガンのファンになっても、同傾向の本はないので、読者は面食らうと思う。
| goldius | 2007/04/14 11:38 PM |
 こんにちは。コメントありがとうございます。

 本当は『星を継ぐもの』から読むつもりだったんですけど、気づいたらこっちを先に読んでました(笑)
 goldiusさんが『星を継ぐもの』を最高クラスで評価してるので読むの楽しみです。
| 智洋 | 2007/04/15 2:59 PM |
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「時間泥棒」 ジェイムズ・P・ホーガン 創元文庫
ハードSFというよりユーモアSFだが、 それ故ホーガン作品としては一番読み易いかもしれない。 中篇と言ってもいい薄い一冊ですしな。 これがホーガンらしさと思われても困るが、 ホーガンの入門用としては最適だろう。 刑事が主人公のSFミステリ
| 目次が日本一のブログ(自称w挑戦者求む) | 2007/04/14 11:29 PM |
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