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『東京物語』
東京物語
東京物語
奥田 英朗

 本屋の店員なんだし読んだほうがいいんじゃないかという妄想と、とりあえず奥田英朗の本は家にあったな思い読んでみました。ところでぼくが結構好きだった大学の教授は、作家の名前を音読みにする癖があったのか、今の今まで「おくだえいろう」だと思ってました。あぶねー。あぶねーってかえいろうって口に出して人に話しちゃってたよもう。
 というわけで一応あらすじ。
1978年4月。18歳の久雄は、エリック・クラプトンもトム・ウェイツも素通りする退屈な町を飛び出し、上京する。キャンディーズ解散、ジョン・レノン殺害、幻の名古屋オリンピック、ベルリンの壁崩壊…。バブル景気に向かう時代の波にもまれ、戸惑いながらも少しずつ大人になっていく久雄。80年代の東京を舞台に、誰もが通り過ぎてきた「あの頃」を鮮やかに描きだす、まぶしい青春グラフィティ。

 80年代を中心にした「あの日たち」のリアリティは、82年生まれの僕にはあんまりないんですけど、青春小説としてのリアリティはがっつり感じました。名古屋から東京に越してきた「春本番 1978/4/4」はまさしく自分が引っ越してきたときの感覚が生々しくよみがえってきちゃいました。「今朝は実家の天井を見ていたことを考え、不思議な気がした。/東京と名古屋は、遠いような近いような、ただ、すぐには帰れないところに自分はいるんだなと思った。時間もお金もかかるのだ。」(P.82) 自分も群馬とかいう微妙な距離だったなー。

 読書したい時の波(このところまとめて更新してる本は、大体みんな五月に読みました。もりもりの気分だったんです。そういうのってありません?)が来ていたのもありますが、スピーディに一気に一冊読みきりました。なんでそうなったかっていうと、まあ面白かったとかわりかし読みやすかったとかもあるんですけど、主人公の久雄が、各話で腹を減らし東京を走り回るっていう物語のペースがそうさせたのかなと思いました。久雄の空腹とか疲労とかを読んでるこっちも背負っちゃって、久雄が人心地つくとこっちもほっとするというような、そんなペース。
 そんなわけで目の回るような「あの日たち」の物語でした。
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