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『暗黒童話』
暗黒童話
暗黒童話
乙一

 なんだかすごく久しぶりに乙一の本を読みました。4年ぶりぐらいなんじゃないかな。古本屋でぐるぐる回ってたら(いつもそんなんばっかり)、100円で売ってたので買いました。すいません、あまりお金に余裕がないんです。

 あらすじはこんな感じ。女子高生の「私」は事故に遭って記憶を左眼を失ってしまう。移植された左眼は、さまざまなきっかけで眼球の前持ち主の記憶らしきものを私に見せる。記憶を無くす以前の私と、それを求める周囲の人間とに疎外され、またそれゆえに左眼の記憶とその元の持ち主の世界に親しみを覚えていく私は、左眼の記憶を頼りに持ち主の住んでいた町へと足を向ける。そこでは奇妙な事件が私を待っていた……。

 もういきなりネタバレ含みます。
 乙一の作品を読むと善悪とか動機とか心理ってものがそんなに問題にされてないように思えます。この小説の犯人(ってのも少し変だけど)も、なぜ人間を解剖したかといえば、最初の女性を突き落としたときに「どうなるか試してみたかった」というようにしか説明されていません。
 宮台真司が「底が抜けた」感覚というのを問題にしていましたけど、そういうのに近いんだろうなと思います。そんでもってもうひとついうなら、たとえば何かの小説の売り文句で「人間の心の闇を描いた問題作」みたいなのがあったとして、乙一にはそういう文句は合わないんですよね。なぜかっていえばまず、「人間の心の闇」を問題に(主題に)していないし、それをすでに当たり前のこととして(闇は見通せないから闇なんだ!)描いているからだと思います。動機なんかなくてもまったくおかしくない、リアリティがないなんてそれが普通、そういったものごとがすでにリアリティの一部になっているという風に乙一の小説は書かれてるんじゃないかな。
 でまあ、最近の事件とか見てても、動機とか考えたって無理な気がするし、そりゃいくらなんでも理性ってやつを信じすぎだと思います。そりゃあ僕だって理性を信じたいんですけど。
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