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とてもくらい
 最近めっきり朝夕涼しくなり、涼しいを通り越して少し寒く、秋なのか、秋のせいか、もやもやとした気分の毎日。
 読んだ本を一冊ずつ記事にしていけそうにないので並べておきます。

 以下、フィリップ・K・ディックの有名っぽい三作品。
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
 欲望の制御(され)っぷりが面白い。ほとんど完璧なコピーとオリジナルの間にあるものはなんなんだろう。僕はやっぱり少しアウラを信じたい気持ちがある。信じたい気持ちがあるから、アウラがあるんだろうか。
「それこそが啓示なんじゃなくて」
「そんな啓示ならとっくに知ってるさ」(P.214)
 こういう言い回しはいつも好きだ。
☆『ユービック』
 いまのところディックでこれが一番好きかも。最後の揺らし方もいいし、超能力/反能力とか、半生命とかのアイデアも好き。
『暗闇のスキャナー』(読みかけ)
 224ページ辺りからすごく泣けた。ドナの語るベスト・トリップ。ドナの語る夢。優しく穏やかな否定の言葉。いつまでも残る手の感触。ブランキー・ジェット・シティみたいに透き通ったシーン。

☆『第六大陸』(全二巻)/小川一水
 はじめの数年のヒロインと、そのころのヒロインの口調と、ヒロインと主人公の関係がそのころから始まってしまうのと、ヒロインとヒロインの父親の関係がなければもっと好きになったにちがいない。ひたすら夢に突き動かされているのはちょっとまぶしすぎるけど、それはそれでいい。『星虫』って小説を思い出したりした。『プラネテス』(すごく好きな漫画)もそうかな。カバーイラストが『プラネテス』の作者だし。でも小説に向いている(と思う)ディテールの積み上げによるシミュレーション的な感じはこの本ならでは。この部分がとてもよかった。僕らは月に行ける。

☆『99%の誘拐』/岡嶋二人
 岡嶋二人は自分の中でちょっとした「伝説」。この伝説というのは、記憶が怪しくなるぐらいには前のことで、しかもいいタイミングでなにかを受容して、あとあとになって「あれはよかったよなー」と思い出すものごとの自分用語。小説に限らず、漫画でもアニメでもゲームでもなんでもよくて、もう飲食店とか腕時計とか毛抜きにまであって、伝説の幅はとても広い。
 まあそれはそれとして、岡嶋二人の『クラインの壷』は学生時代夜行列車で関西に向かっていたとき読んだ本。眠気が吹き飛び、朝まで一気に読んだ。その伝説には及ばなかったけど(もちろん、新たな伝説にならない限り伝説には及べない)、やっぱり岡嶋二人は面白かった。

『壁抜け男』/マルセル・エイメ
 とにかくひたすら無茶をしてしまう本。ひとつ不思議なことがあって、そこからじゃあ、ああしてみるか、こうしてみるか、と行けるところまで吹っ飛んでいくのが面白かった。「サビーヌたち」の無茶ぶりは最高。
「七里のブーツ」だけちょっと毛色がちがうけども、これは終わりがとてもいい。素敵な話。

 あと、ここ一月で結構映画を見ました。
☆『CUBE2』☆『CUBE ZERO』『SAW』……えぐい。『CUBE』シリーズのほうが面白いと思った。『CUBE』は作られるたびにひどくなっていく、と酷評されることが多いけど、同じような理不尽の繰り返しをしてもしょうがないし、作るならこれでよかったとは思う。僕は結構楽しめた。まあ一作目がやっぱり一番いいけど。
『ナルニア国物語』……個人的に指輪には遠く及ばなかった。なんたって王の帰還の合戦(前の)シーンがあるからなあ、あっちにゃー。
『DEEP BLUE』……ドキュメンタリーって結構好き。でもこれはきれいだし、すごいと思うけど、NHKの「プラネット・アース」って番組のほうが好き。ナレーションでいろいろ解説してくれるから。
『ハウルの動く城』……木村拓哉の声が気にならなかった。なんであんなに気になる、だめだ、変えろ、と言われていたのかいまいちわからずじまい。(近年の)ジブリっぽい声だったし、原作は知らないけど少なくとも映画のキャラクターにはあっていた声だと思う。それよりはヒロインの声が最初違和感あるけど、声なんて慣れちゃうよね(あーあ)。
『TAXI』……僕は映画俳優・監督の名前も顔もぜんぜんわからなくて、ていうか映画がまったくの苦手分野(というのも変か)で、ちゃんと『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も観たことがないんだけど、そんな僕でもなぜか名前を知っているリュック・ベッソンが監督、じゃなくて、プロデューサーとかそういう感じのあれだったような。疲れてたから、こういうすごくおばかな感じの映画でよかった。
『ブギーマン』……どきどきするような沈黙から「ドン!!!!!」っていう驚かせ方は、されるとちょっと悲しい。いや、当然驚いちゃうんだけど、だけどなあ。
☆『スティング』……ハインラインの『夏への扉』を思い出すような、話の筋の上手さ。絡み合った伏線をすとーんと落としてくれる。詐欺の仕方が隣の部屋でのラジオ放送とか、すごい牧歌的というかなんというか、いいなあと思った。あと、始まってからしばらくは個々人の顔の見分けができなかったのはちょっとした笑い話。

 てわけでなんだかよくわからないけど、まったく書けないと思ってたのに適当にキーボードを叩き始めたら、とりあえず字数は出せたな、と思いました。もっとすっきりと楽しく生きていきたいなあ、と思う今日この頃です。
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コメント
タイトルの下の文、さっき気付きました(笑)
私もどこぞのサイトさんのパクリですよー、大丈夫です(笑)

たくさん本読んで、たくさん映画見てますねー。ちょっとうらやましいです・・・。
| ユズハ | 2006/10/20 1:43 AM |
 こんばんは。コメントありがとうございます。いやほんと、コメントってこんな嬉しいものだったのか、と思い出すぐらい嬉しく思うっていうか、そんな喜ばれてもなんかちょっといやだろうな的に嬉しいです。やっほーい。

 ☆の評価は、なんかこういうのでもないと、どれもこれも「よかった」って書いちゃってるんで、どれがどれくらいよかったのかわかんないな、と自分でもわかんなくなったので(読み返してみて、「あれ、僕はこの本どれくらい面白く感じたんだっけ」ってなりました)ついぱくりました。ははははは。
 いつの日にか(まだぜんぜん記事数が足りないからいまは無理)、自分のサイトを読んで「ほほう、これは面白そうだ、読んでみよう」ってなってもらえたらいいなあ、というための採点でもあります。
 ほんとはもっと5点満点とか10点満点とかのほうがいいのかもしれないんですけど、このファジーな感じがいいなと思ったのでしばらくはファジー採点で行きます。

 って、なんか嬉しいのと、あとあれだな、さっきまでエイジ・オブ・エンパイア2というゲームを猛烈にやっていたので変なテンションで不必要なほどのコメントを返している気がしてきました。

 まあそれはそれとして、最近あんまり本読んでないと思ってたら、こう並べてみるとそこそこには読んでるんだな、と自分でちょっと嬉しくなりました。だんだん自信が出てきて文量が増えてってますね(笑)
 で、ユズハさんが最近更新がなかったので、あれか、噂に聞くソツロンってやつだなこれはきっと、いやもしかすると伝説のシュウカツってやつのせいかもしれないな、とか思っていたら、なんと、留学中だったんですね! 驚きました。いいなあ、こっちこそうらやましいですよ(笑)
 もう三ヶ月ぐらいそっちにいるみたいで、僕に言われるまでもないとは思いますが、お体には気をつけて、楽しんで・いい勉強をしてください。

 なんか変な感じですけど、これにて。ではー。
| 智洋 | 2006/10/20 3:06 AM |
あはは、ありがとうございます。
エイジ・オブ・エンパイア2って懐かしい!体験版だけならさんざんプレイしました(笑)

そうそう、☆の評価は私も同じ理由で取り入れました(笑)
人様に「面白そうだから読んでみよう」って思われたら嬉しいですよねー。
今のところ私は自分自身で過去に書いたものを読み返して、次にどの作家の本を読もうか決めたりしていますよ。

噂のソツロンも伝説のシュウカツもまだ先っぽいですよ(笑)ありがとうございます。
日本もだんだん涼しくなってきているようですね。星野さんもお体にお気をつけてくださいね。
| ユズハ | 2006/10/20 8:25 PM |
 やっとお返事が書けます。遅くなってしまってすいません。

 そう、もう3が出ているというのにいまさら2をやっているんです。しかもその体験版をやってます。面白くて製品版がほしいけどなかなか売ってなくて……。

 自分の文章で、誰かが興味を持ってくれたら嬉しいですよね。まあユズハさんのところの影響で一人S&Mシリーズを読み始めた人間がいるんですけどね。うらやましい(笑)
 自分のとこも自分で時々読み返して「ふーん、こう思ったんだっけ」というのに使ってますね。そうそう、先日自分の卒論を読み返したら「僕ってこんなこと考えてたのか!」とすごいショックを受けました(笑) あのころから比べてどんどんと頭が悪くなっている気がするなあ。

 今日は日中も20℃切るぐらいで結構肌寒かったですね。そちらはもっと寒いんでしょうけども、お互い体には気をつけて、家に帰ったらうがい・手洗いをして、って小学校のプリント(プリントって懐かしい響きだ)みたいな文言になってきましたが、ええと、そういうことで!
| 智洋 | 2006/10/23 7:15 PM |
実はオイラも岡嶋二人の大ファンなんだ。
クラインの壺は読んだかな
あの作品は今まで読んだ小説の中で一番おもろかった。
読んでないならぜひ読んでくれ頼む
| タカ@ | 2006/11/14 11:08 PM |
読んだって書いてるじゃん!
| タカ@慌てる | 2006/11/14 11:09 PM |
 こんにちは。

 そう、読んだんですよ。実は読んでたんです。ええとたしかあれは三年前ぐらいかな。どうしてそういう話になったか忘れちゃったんですけど、とある方から『クラインの壷』がすごい面白いんだぜ、と聞きまして読んだのでした。懐かしいなあ。懐かしいですよね、タカさん。
| 智洋 | 2006/11/17 1:14 PM |
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